多焦点眼内レンズ

眼内レンズの種類

Multifocal intraocular lens

後悔しない眼内レンズ選び

当院では20種類以上の眼内レンズを取り扱っていますが、残念ながら、すべての方を満足させられる完璧なレンズは存在していません。どのレンズにも何らかのマイナス点があります。遠く、中間、近くの見え方、光のにじみの少なさ、どれを重視するか人によって異なれば、選ぶレンズは変わってきます。人間の目にも個人差があり、例えば角膜の形状や瞳孔の大きさによって、レンズの向き不向きがあります。

多焦点眼内レンズを謳っている眼科でも、取り扱いレンズは数種類であることがほとんどです。レンズのデザインや特徴、院長の自験例もふまえて、数あるレンズの中から、最適な1枚を提案できるよう努力しています。

当院で取り扱っている主な多焦点眼内レンズ

5焦点レンズ
  • INTENSITY インテンシティー
3焦点レンズ
  • Precizon プレシゾン
  • ALSA FIT/SET アルサフィット/セット
  • AcrivaTrinova アクリバトリノバ
  • RayOne レイワン
  • FineVision/Triumf ファインビジョン/トリウム
  • AT-LISA エーティーリサ
  • PanOptix パンオプティクス
  • Synergy シナジー
2焦点レンズ
  • LENTIS レンティス
  • FEMTIS フェムティス
  • MINIWELL ミニウェル
  • TECNIS multifocal テクニスマルチフォーカル
  • Symfony シンフォニー
  • ActiveFocus アクティブフォーカス
  • ReSTOR レストア

当院で人気の高い多焦点眼内レンズ

種類が多すぎて選べない、という方へ。術後アンケートの結果から、満足度にはいくつかのポイントが重要であることが分かっています。

  • ①遠方の見え方
  • ②近方の見え方
  • ③中間の見え方
  • ④光のにじみ
  • ⑤コスト

上記の順で、満足度の高さに相関していました。裸眼で生活するには遠くと近くの視力は必須であり、できれば中間も見えたら嬉しい。ハロー・グレアなどの光のにじみが少なければ不満は少ない。最後に、コストに見合った結果であれば言うことなし、というのが多くの患者さまのご意見でした。

当院でよく選ばれる満足度の高い、4つのレンズについて、ご紹介します。

インテンシティ
(INTENSITY)

アルサフィット (ALSAFit FOURIER)

世界初の5焦点レンズで、無限遠~40cmまでの全距離でスムーズな見え方を実現しています。もっとも進化した最新型の多焦点眼内レンズです。フーリエ光学により計算されたDLUテクノロジー(Dynamic light utilization technology)というHanita社独自の設計で、従来の回折型2焦点や3焦点レンズでは使用できなかった光を活かすことにより、光のロスは6.5%(従来レンズは約15%)と、現存する多焦点レンズの中で最小です。

新しいレンズゆえに、実績が少ないのがデメリットです。国内未承認です。

遠くの見え方★★★★☆
中間の見え方★★★★☆
近くの見え方★★★★☆
光のにじみ★★★☆☆
乱視矯正★★★☆☆
選定療養×
メーカーHanita(イスラエル)

レンティス
(LENTIS Mplus)

レンティス(LENTIS Mplus)

分節型というシンプルかつ光学に優れた構造で、遠方と近方40cmの2焦点レンズです。現存する多焦点レンズの中で、もっとも近くの見え方の成績が良いです。光のロスが7%とかなり少ないため、クリアな見え方です。回折型レンズと比べ、光のにじみが1/3に抑えられており、夜間の車の運転をされる方にも向いています。

最大の特徴は、通常レンズの50倍の精度で作製できる、世界で唯一のオーダーメイドレンズです。他の多焦点眼内レンズでは対応できない乱視や強度近視の方にも適応できます。日本だけでなく、世界中で豊富な使用実績があります。

レンティス特有の合併症、ゴースト(2重に見える)がでることがあります。両眼にレンティスを挿入することによってある程度、対症可能です。国内未承認です。

遠くの見え方★★★★☆
中間の見え方★★★☆☆
近くの見え方★★★★★
光のにじみ★★★★☆
乱視矯正★★★★★
選定療養×
メーカーOculentis(ドイツ)

パンオプティクス
(PanOptix)

パンオプティクス (PanOptix)

欧米で臨床評価が高く、3焦点レンズのトップシェアを獲得しています。ENLIGHTEN光学テクノロジーにより、40~80cmという実用的な近方〜中間距離の見え方が良いように設計されています。コンピュータ作業、スマートフォンの使用、料理、本やメニューを読む、といった現代社会により適した配慮がなされています。日本では2019年6月に厚生労働省の承認を得ており、国内実績も豊富な3焦点レンズであり、選定療養の中で人気N0.1です。

回折のエッジデザインは従来のシャープエッジであるため、ハロー・グレアがやや強めです(選定療養の多焦点レンズの中ではハロー・グレアはもっとも少ないです)。光学的ロスは12%です。

遠くの見え方★★★★☆
中間の見え方★★★☆☆
近くの見え方★★★☆☆
光のにじみ★★☆☆☆
乱視矯正★★★☆☆
選定療養
メーカーALCON(アメリカ)

テクニスマルチフォーカル
(TECNIS multifocal)

テクニスマルチフォーカル(TECNIS multifocal)

オーソドックスな回折型2焦点眼内レンズです。光量配分は遠方50%と近方50%と、近方の配分が多いので、近方の見え方に強いレンズです。個々のライフスタイルに合わせて、近くのピントの距離を30cm、40cm、50cmの3種類から選べます。2008年6月に厚生労働省の認可をうけており、日本国内で最も多く使用されてきた多焦点レンズです。瞳孔の影響を受けにくいため、暗所でも近方視力が保たれやすいのが特徴です。最も安価な多焦点レンズであり、コストパフォーマンスに優れます。

光学的ロスが20%と大きく、夜間のハロー・グレアはかなり強いです。近くの見え方がピンポインです。

遠くの見え方★★★★☆
中間の見え方★☆☆☆☆
近くの見え方★★★★★
光のにじみ★☆☆☆☆
乱視矯正★☆☆☆☆
選定療養
メーカーJohnson&Johnson(アメリカ)

【比較】単焦点レンズ

テクニスマルチフォーカル(TECNIS multifocal)

保険診療で使用できるのが単焦点レンズです。焦点が1つしかないため、90%以上の高確率で、白内障手術後に眼鏡が必要になります。もっともシンプルなデザインのレンズゆえに、ピントの合った距離の見え方は最高です。光のにじみ、多焦点不耐という合併症がないため、もっとも安全なレンズとも言えます。リスクが心配な方、神経質な方に向いています。

遠くの見え方★★★★★
中間の見え方★★☆☆☆
近くの見え方★☆☆☆☆
光のにじみ★★★★★
乱視矯正★★★☆☆
メーカー多数

費用について

選定療養

2焦点レンズ
種類片眼両眼
TECNIS
multifocal
12.8万円25.6万円
symfony
(乱視なし)
15.8万円31.6万円
symfony
(乱視あり)
17.8万円35.6万円
ActiveFocus
(乱視なし)
20.8万円41.6万円
ActiveFocus
(乱視あり)
22.8万円45.6万円
3焦点レンズ
種類片眼両眼
Synergy
(乱視なし)
25.8万円51.6万円
Synergy
(乱視あり)
28.8万円57.6万円
PanOptix
(乱視なし)
27.8万円55.6万円
PanOptix
(乱視あり)
30.8万円61.6万円

※税込・保険支払い対象分は負担割合にあわせて別途必要。

プレミアム白内障手術「FLACS」

適性検査代11,000円
種類片眼
多焦点レンズ69.8万円

※税別・診察料を含みます。
※ユーロ、ドルの為替変動により価格が変わることがあります。
※ユーロ、ドルの為替変動により価格が変わることがあります。
※どのレンズでも手術費用は変わりません。